不倫で訴えられた方へ|訴状が届いた後の対応と慰謝料をやさしく解説

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不倫で訴えられた方へ|訴状が届いた後の対応と慰謝料をやさしく解説
この記事では、裁判で不倫の慰謝料を請求された方、特に訴状が届いたばかりの方へ向けて、今後の対応や慰謝料についてご紹介します。

この記事のポイント

  • 訴えられたからといって、過度に心配する必要はありません
  • まずは落ち着いて弁護士に相談することをお勧めします

過度に心配する必要はありません

裁判所から訴状が届くと、「この金額を支払えということ?」「仕事に影響したらどうしよう」など様々な不安がよぎると思われますが、たいていの場合は心配には及びません。裁判に適切に対応することで現実には起こらないことがほとんどです。

その具体例をご紹介しましょう。

よくある心配ごと

Q. こんな金額、支払えないのですが…
A. 「訴状に書かれている金額を支払わないといけない」と決まったわけではありません。金額は今後の裁判で決まります。減額されるケースも数多くあります。
Q. このままだと差し押さえをされるということですか?
A. 裁判が終了した後に慰謝料を支払えば、差し押さえをされることはありません。
Q. 家族や職場に知られますか?
A. 適切に対応していれば、基本的に知られることはありません。
Q. 犯罪をしたことになるのですか?
A. なりません。捕まったり刑罰を受けたりするわけでもありません。
Q. 事実と違うことが書かれているのですが…
A. 訴状には相手配偶者の言い分が書かれているだけであって、裁判所がそれを事実として認めるかどうかは別問題です。今後の裁判でご相談者様の言い分を伝えましょう。
Q. 裁判所には必ず行かないといけませんか?
A. 第一回口頭弁論は答弁書を提出していれば行かなくても済みます。2回目以降は行く必要がありますが、弁護士を立てればご相談者様は原則として行く必要はありません。

不倫で訴えられたということは、ご相談者様には慰謝料を支払う義務があるのか?金額はいくらなのか?を裁判で決めるということを意味します。

訴状や呼出状は「その手続きが始まりました、第一回の裁判は〇月〇日です」との通知に過ぎず、その他に重大な意味を持つわけではありません。

過度に心配する必要はありませんので、まずは落ち着いて、幣事務所へご相談ください。

今後、生活はどうなる?

これまでの生活に裁判が加わりますが、生活が一変してしまうわけではありません。

生活への影響

訴えられたことによる生活への影響は大きく分けて2点、裁判への対応慰謝料の支払いが挙げられます。

裁判への対応

裁判は1~2ヶ月に1回程度の頻度で平日の日中に開かれます。第一回口頭弁論を除いて裁判の日は裁判所に行く必要があるほか、事前に言い分や証拠を書面にまとめて提出するよう求められます。

ただしこれらの手続きのうち大部分は、弁護士を立てることでご相談者様が対応する必要はなくなります。

慰謝料の支払い

慰謝料の金額が決まるタイミングは裁判が終了するときです。終了までに一般的には半年~2年程度を要すため、お金はこの期間に準備すれば問題ありません。

一括払いが難しい場合、分割払いが可能なこともあります。また、そもそも慰謝料の支払い義務はないと判断されることもあります。

裏を返せばその他の影響は考えづらく、誰かに知られたり仕事に影響したりすることは稀です。

裁判の流れ

今後、裁判は以下のような流れで進行します。

不倫の裁判の流れ

※一般的な流れを簡略化したものです。実際にはこのように進行しない場合もあります。

訴状が届いて「早くなんとかしないと」と思われたかもしれません。

…が、見方を変えると第一回口頭弁論までの間にまだ時間は残されています。そして今は裁判が始まったばかりの段階で、終了するまでの間にも時間的余裕があります。

この時間を使って、落ち着いて今後の対応を検討したり、弁護士に相談したりすることが重要です。

慰謝料について

慰謝料をいくら支払うことになるのか?

これは裁判が終了するまで正確には分かりませんが、おおまかな見通しを持っていただけるよう、裁判における慰謝料の取り扱いについてご紹介します。

支払い義務を負わないケース

裁判では「ご相談者様に慰謝料の支払い義務があるのかどうか」から審理されます。では、どのような場合に支払い義務を負わないのか?その典型例を挙げます。

慰謝料の支払い義務が発生しないケース
  • 肉体関係を持ったが自由な意思ではない
  • 肉体関係を持っていない
  • 故意も過失もない
  • (注意していても、相手が既婚者であること/相手の夫婦関係が破綻していないことに気づく余地がなかった)

  • 不倫が始まる前から、相手の夫婦関係は破綻していた

このような事情があれば、裁判で主張することで「慰謝料の支払い義務はない」と判断される可能性があります。

支払い義務が発生しないケースについて、詳しくはこちらをご覧ください。
支払い義務が発生しないケース

慰謝料の相場

過去の裁判における慰謝料の相場は以下の通りです。

相場(平均額) 158万円
広い意味での相場 100~200万円

※幣事務所が調査した310件の裁判例から算出

ただしこれはあくまで相場です。慰謝料は様々な要因によって増減するため、例えば減額の要因が積み重なれば相場より低い金額となる可能性があります。逆もまた然りです。

次の記事では状況別の相場や、条件を絞り込んで相場を検索できるツールも掲載しています。ご参考ください。
不倫(不貞行為)の慰謝料の相場

慰謝料のうち一部は交際相手に請求できる

裁判で確定した慰謝料を支払った後、その金額の一部(または全部)を交際相手に請求することができます。これを求償といいます。

例えば150万円の慰謝料を支払った場合、交際相手に対して「あなたが負担すべき分(例えば半額の75万円)を返して」と請求することができるのです。

求償について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
求償について

今後の対応

まずは第一回口頭弁論への対応が必要です。

  • 言い分を記載した答弁書を提出する
  • 第一回口頭弁論に出席する

このうち少なくともどちらか1つをする必要があります。

第一回口頭弁論に関しては、答弁書を提出していれば欠席しても問題ありません。いっぽう、答弁書を提出しないまま欠席した場合、訴状に書かれている通りの判決が下される可能性がありますのでご注意ください。

弁護士へ依頼

弁護士を立てれば、ご相談者様に代わって弁護士が書面を作成し、裁判に出席します。一部の手続きを除いて、ご相談者様が裁判に出席する必要はありません。

裁判での発言や提出する書面、証拠の内容が結果に影響するため、慰謝料が減額される可能性を高めたい場合も弁護士への依頼をご検討ください。

ご相談やご依頼のタイミングはいつでも問題ありません。ただし状況が悪化することを防ぐため、できるだけ早めをお勧めします。

弁護士費用を抑えたい場合、幣事務所へご相談ください

幣事務所では裁判をご依頼いただく場合でも、着手金や報酬金が通常と比べて高額になることはなく、原則として日当や手数料なども頂戴していません。弁護士費用を抑えたい場合、ぜひ幣事務所へご相談ください。

幣事務所の弁護士費用
相談料 初回無料
着手金 16.5万円
報酬金 減額した慰謝料の16.5%
日当 なし
手数料 なし

※交通費や郵券、印紙などの諸経費は実費を頂戴します
※遠方への出張については日当を頂戴する可能性があります

弁護士に依頼するかどうかはさておき、少なくとも相談することをお勧めします。
慰謝料が減額される見込みをはじめ、弁護士に頼んだ方が良いかどうか、その他様々なご相談にお答えすることができます。お気軽にお問合せください。

この記事の著者

弁護士法人えん

代表弁護士吉村歩

大阪弁護士会所属 登録番号55054

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